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輝きを失った夜空…
「光害」を考える
ひかりがいをかんがえる
もしもあなたが、
目覚めの朝に見上げた空が、
きれいなミドリ色をしていたら、
どのように思いますか。
「まあ、キレイな空」と、
心から感じますか?
もしも釣りにでかけて、
川がきれいなムラサキ色をしていたら、
どのように思いますか。
「何と美しい川なんだ」と
心から感じるでしょうか?
ミドリ色の空の下で草木が枯れ、
ムラサキ色の川で魚が苦しんでいたら、
それでもあなたは、
美しさを感じますか?
目に見える小さな異変は、
その奥に潜む、何か大きな異常の
あらわれです。
晴れた夜空には、
無数の星たちが光り、
天の川が光の帯となって
よこぎっているのが
「本来の姿」です。
夜空を見上げてみましょう。
星はいったいいくつ見えますか?
本来まっくろであるべき夜空は
何色に見えますか?
星たちの輝きを失った夜空は、
私たちに、いったい何を
伝えようとしているのでしょうか。
1.「光害」って何?
エジソンが電球を発明して以来、
人類は「夜の闇の恐怖」を手軽に克服することが
できるようになりました。
人工照明は、現代の生活に欠かせないものになって
いることは、いうまでもありません。
しかしながら、人工照明の普及の中で、その「あるべき姿」や、
問題点が顧みられることはあまりにも少なく、
現代社会のなかで、人工照明がさまざまな問題を
発生あるいは潜在させていることは
あまり知られていません。
*********
光害の定義
(環境省「光害対策ガイドライン」による)
屋外照明が周辺環境へ及ぼす影響を整理すると、動植物への影響として、
野生動植物、農産物・家畜等への影響が、人体への諸活動への影響として、
天体観測への影響、居住者への影響、歩行者への影響、交通機関への影響等
が考えられるが、未解明な部分も多く存在する。
光害とは、狭義には障害光による悪影響を指すこともあるが、こうした各
種影響を踏まえ、本ガイドラインでは、光害を「良好な照明環境の形成が、
漏れ光によって阻害されている状況又はそれによる悪影響」と定義する。
※1 漏れ光:照明機器から照射される光で、
その目的とする照明範囲外に照射される光
※2 障害光:漏れ光のうち、光の量若しくは
その方向又はその両者によって、人の活動や
生物等に悪影響を及ぼす光
2.「光害」の実例
身のまわりを見回してみましょう。
ギラギラとまぶしい街路灯、
道路ばかりか、家の壁や畑を照らす街路灯、
空に向けられたレーザー光やサーチライト、
過剰あるいは不適切なライトアップ、
等々…。
身の回りの屋外照明のほとんどすべてが、
「誤った不適切な照明の使い方」であり、
「光害」そしてそれに続く
無駄な環境破壊の
発生源になっているといっても
過言ではありません。
…電気を使うな、とか、
公園を真っ暗にせよ、とか
そういうことをいっているのでは
ありません。
地面を照らすべき街路灯で、
家の壁や畑や空、人の目を照らしても
何にもなりません。
魚をとるべき漁火の大半の光で、
空や山を照らしても、
何にもなりません。
同じく明かりを使うならば、
かしこく使い、
無駄や汚染のより少ない
快適な暮らしを
実現していきましょう。
…
3.いつのまにか進んでいる?
光害対策の例
世の中では、温暖化などどこ吹く風、
原発増設なんのそのとばかりに
ライトアップばやりです。
しかし一方では、その問題点は
国レベルではすでに認識されており、
その対策も、いつのまにか
進められています。
また、
環境省のガイドラインでは、
自治体ごとに
光害の改善計画を策定することを
求めています。
(1)国道228号線・上磯町有川橋の
フルカットオフ型街路灯

一見何の変哲もない、ただの橋に見えます。

実は道路照明器具には、
「フルカットオフ型」が用いられています。
このタイプの照明器具は、
地面だけを効率良く照らし、
上や横方向には
光をほとんど漏らしません。
視線角度が低くなる、離れた照明器具でも、
ギラつくまぶしさ(グレア光)を感じません。
光源からの直接光によって
歩行者が逆光になることが少なく、
安全性が高くなります。
暗がりでもより見やすく安全で、
夜間運転の疲労も軽減されます。
空や横を無駄に照らしませんので
エネルギー効率が良く、
従来型街路灯の220〜250Wに対して、
フルカットオフ型では180Wですんでいます。
国道278号線の函館市内〜上磯町内の
各橋梁に近年新設・改設された街路灯には、
同様のフルカットオフ型が用いられています。
※2000年夏以来、建設省に対して、
「光害」対策の問い合わせを行っていますが、
ごまかしばかりで、
内容のある返答が得られていません。
(2)2000年秋に新築移転した
市立函館病院

病院敷地内の街路灯は、
すべてフルカットオフとされています。
上方に余計な光を漏らさず、
入院患者に、落ち着いた夜を
すごしてもらうための
配慮でしょうか。
建物が薄明るく浮かび上がっていることから、
雪による反射光が相当大きいことがわかります。
積雪期にはW数を落としても問題ないと思います。

上方向、横方向への
無駄な光の漏れはまったくなく、
効率のよい照明です。
近くの照明器具を見上げると、
さすがにまぶしいのものですが、
これは仕方ないでしょう。

駐車場もすべてフルカットオフです。
横方向への漏れ光、目に入るギラつきが
きわめて小さいので、
直接光があたっていない暗がりも、
意外と見やすくなります。

一般への普及を考えると、照明器具の形状には、
もう一工夫欲しい気もします。
※函館病院のフルカットオフ対応の
理由についての問い合わせを函館市に行ったところ
「近隣住宅地への影響を少なくなるため」という
返答がありました。
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環境省
「光害対策ガイドラインの策定について」の
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