4.ダム操作の問題


(1)河川の実状をかえりみないダム操作計画

現在進められている治水計画では、二風谷ダムに加え、
平取ダムを建設することで、毎秒4300m3/sという、
「40年確率」の大雨洪水に備える
とされています。
上流に平取ダムを建設し、また下流を3200m3/sに向け、
これから整備を行っていく計画です。

しかし、台風10号当時の二風谷ダムの操作規則では、
二風谷ダム単独で、毎秒4100m3/sという
「100年確率」の大雨洪水に備える
ととされていました。
そして、ダムに4100m3/sの洪水が入ったときの、
下流への安全な放流量は3850m3/sとされていました。

これは、上流の平取ダム、下流の堤防整備が完成したときに、
ピーク流量5400m3/sのうち平取ダムで1450m3/sカットし、
残り4100m3/sのうち、二風谷ダムで250m3/sをカット。
下流に3850m3/s流すという
初期計画そのままの流量配分です※。

しかし、現時点で上流に平取ダムはなく、
下流の流下能力は3200m3/sに満たない
のです。

参考資料:現在の沙流川の流下能力(洪水を安全に流すことのできる能力)


二風谷ダムの洪水対応は、H14年の整備計画に対応していないばかりか、
上流、下流の100確率の治水対策が完成していないにもかかわらず
それがあるものという前提の、ルーズな操作計画
が設定されていました。

※ 合流の時間差や途中での流入量が見込まれるため、
単純な足し算とはならず、少し数字がずれることが普通です


(2)操作規則と異なる大量放流

ダムの治水機能を放棄し、流入量をそのまま放流する「ただし書き操作」においては、
ダムは貯水を行わないものの、入った量を超えて放流することはなく、
したがって、ダムの存在自体が下流の被害を拡大するものではないことが大原則です。

一度流入量と放流量が等量になったあとは、ダム湖の水位変化に応じて
ゲート開度を調整することで、流入量と等量の放流を行うことになっています。

しかし二風谷ダムでは、10日午前2時50分に、ゲートの最大開度・最大放流量(5500m3/s)となり、
流入量と放流量が等しくなったのち、1時間にわたってゲートを最大に開き続けていました。

この結果、ダム流入量が減少し水位が低下しているにもかかわらず、
放流量はほとんど下がらず、
下流の被害を無用に増大させた可能性があります。

このような下流の被害を増大させるダム操作を行った理由は不明ですが、
ダムの貯水限界・サーチャージ水位を大きく上回っていた貯水位を下げるため、
意図的な過剰放流を行ったのかもしれません。



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