北海道開発局が発表した「二風谷ダムの効果」


北海道開発局室蘭開発建設部『台風10号 出水第2報』より

流入量が1900m3/sとなった8月9日21時30分より洪水調節を開始。

10日1時30分には48mのサーチャージ水位満水
「ただし書き操作」に移行します。

1時50分頃、最大流入量6400m3/sを記録
これはダムの設計限界である「設計洪水流量」を大きく上回る数字です。

その後、ダムへの流入量が減少する一方で、
ダムの水位は上昇を続けます。
また水位上昇に応じてゲートが開かれ、放流量が増やされていきます。

2時50分頃に最高水位49m、最大放流量5500m3/sを記録

その後、下流自治体からの要請によってゲートを絞りましたが、
流入量を上回る放流は続き、
ダムの水位をサーチャージ水位以下に下げていきました。


二風谷ダムの「ただし書き操作規則」では、貯水容量の8割にあたる
水位47.7mから、ゲートを大きく開いていくこととされています。

水位48m(サーチャージ水位)のときに、流入量=放流量=4100m3/sとし、
以後は流入量=放流量となるよう、水位に応じて、
ゲートをコントロールすることになっています。

つまり、「ただし書き操作」とは、流入量をそのまま放流することで、
ダムの洪水調節を放棄し、
下流の治水よりもダムの安全を優先するダム操作です。

「ただし書き操作」の図解


しかし、この洪水では、あらかじめシミュレーションされた
二風谷ダム地点の「計画洪水」よりも、はるかに急激に流入量が
増加したため、水位48mのときの流入量は、5900m/3にものぼっていました。

「ただし書き操作規則」どおりのゲート操作では、
現実の水位(流入量)上昇に放流が追い付かず、
ダムに
過剰な貯水を強いられました。

この過剰な貯水が、「計画を上まわるダムの効果」
としてPRされています。
(各数値はいずれも開発局の発表値)

ダム計画上の流入量変化と、実際の洪水の流入量変化がまったく異なったため、
流入量と、水位・放流量の関係も大きく狂うこととなった。

下流河川の水位低減効果

「ダムによってピーク流量を毎秒900トン減らし、
下流の水位を最大1m下げ、被害をくいとめた」として
洪水後すかさず「二風谷ダムの効果」がPRされました。

最大調節能力を毎秒250トン(計画洪水の6%)とした、
二風谷ダムの設計上の数値とは、
きわめて大きな違いがあります。